若い鍼灸師との面談

先日、ある鍼灸師と話す機会がありました。

 

彼の悩みは、患者数が伸びないことでした。

技術的には問題ないレベルです。

人当たりも良く、温厚です。

 

彼らの業界では、治療院のことを店舗とは言わず、
患者さんのことをお客さんとは言いません。

 

医療にかかわっていると言うプライドが、
サービス業とは一線を引いているのです。
鍼灸院というのは物販の店舗とは異なり、
先行投資は店舗整備に係る費用と、
ベッドなどの設備くらいで、
医院のような機械類の投資は必要ありません。

 

ランニングコストとしては、家賃と光熱費、
わずかな消耗品費用と人件費です。

人件費というっても、スタッフは特に必要なく
自分の給与分というところでしょうか。

 

それでも最低、月の売り上げとしては
40万~50万円は欲しいところでしょう。
彼の場合は、現在、月の患者さんの数は
延べ50人程度と言いますから、
売り上げとしては半分以下ですね。

 

開業資金としていかほど準備したのかは不明ですが、
個人が生活費として手に入れる金額はわずかなもので
投資した資金を回収できているとは思えません。

結婚していて、奥さんが働いているといっても、
これでは先行きが不安になることと思います。

 

各業種で新規開店の場合、大手の企業が独自に
チェーン展開などをするノウハウを蓄積し、
社外秘にしているくらいで、
個人事業としての開店は、
同業種の広告宣伝を参考に同じ手法ですることが多いようです。

 

プレオープン、開店のお知らせチラシ、投げ込みチラシ、
電話帳広告程度がほとんどで、資金的に余裕があれば、
ホームページ、地域のミニコミ誌への広告というところ。

その内容も、広告屋さん任せで、オリジナリティは
使う写真、イメージ程度ですね。

 

業団にも所属しているようですが、
その業団で特に開業支援のノウハウを蓄積をし、
公開しているわけでもなさそうです。

 

業界的にお金儲けのための戦略を考え、
公表することはタブー視される傾向があるそうで、
鍼灸院として成功している先輩たちも、
その戦略をオープンにはしていないらしいです。

 

同年代での新規開業者同士での勉強会等もなく
皆さん苦労していると言う話。

 

1時間少しの間の面談でしたが、
独自のマーケティング不足、
戦略不足を感じました。

 

仙人ではないのだから、鍼灸であろうが医療であろうが、
一般のビジネスとして対価を取るということは
当たり前であるないと言う意識をもつこと、
そして、まずは現在の顧客(患者さん)の
分析をし、マーケティングをするようアドバイス。

 

時間がないので、具体的な方策までは
検討できませんでしたが、
一冊でもビジネス書を読んでみたら!?と
小さな会社のためのマーケティング入門という本を薦めておきました。

この1年余りの経験の中で、彼の中に生まれつつある
「待っていても患者は来ない。どうしたらいいんだろう???」という
気持ちを前向きにするため、
まずは、これまでの彼の中(ひょっとたら多くの鍼灸師)のスタンス
「鍼灸院の場所を知らせておけば、患者は向こうからやってくる。」
と言う概念を完全に取り払わなければならないと感じたのです。

 

そのためには、この本はアメリカでの
ダイレクトマーケティングの成功例を解説したものだけど、
きっと彼のような自営業で独立する人たちに役立つと思ったわけです。

 

彼がこの本を読み終わったら、
連絡を貰い、今後の相談をしたいと思います。
私が知っていることが、
少しでも彼ら若い人たちの力になればいいなぁ
と思いました。

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