患者との関係性

社会に出てから

ビジネスの世界では顧客という言葉を使いますが
医療系職種の場合は患者さんがこの顧客に当たりますね。

 

あるビジネスコンサルタントが
クライアントに「顧客は乳牛で、あなたは牧場主である」と教えたそうです。

 

意味は

牧場主は、乳牛が外に逃げないように、柵を作ります。
この柵は、外から乳牛を狙う獣から守る役割もします。
また、大きく健康に育つように、餌の栄養を吟味し、量も十分に与えます。

つまり、牧場主は乳牛を愛情を持って育てるということです。

 

この牧場主と乳牛の関係は
ビジネスにおける事業主と顧客との関係と全く一緒であるということを
一言で言っているわけです。

医療従事者の場合は少しニュアンスは異なるかもしれませんが
本質は同じであると思います。

あなたは施術家(=牧場主)として
患者(=乳牛)を獲得し
彼らが競合に奪われないように、柵を立てて維持していく
必要があるということですね。

牧場主にとって唯一売り上げをもたらしてくれるのが
乳牛であるのと同じように
施術家にとって唯一売り上げをもたらしてくれるのが
患者です。

柵の中に入れ囲うということは
新規の患者さんが一見で終わらないように
定期的に治療に訪れるような関係を作り
常に維持していかなければいけません。

関係が強くなればなるほど
リピーターの患者さんは新しい患者を紹介してくれるなど
お金をもたらしてくれるようになるのです。

『顧客との関係』が、ビジネスにおいて
最も重要な資産と考えられるように
『患者との関係』が、施術家にとって
最も重要な資産と考えることができます。

では、『患者との関係』を強める方法とは
どのようなことが考えられるでしょう。

 

①価値ある製品やサービスを提供する

ビジネスにおいてこれは当たり前であり
とても重要なことであると同じく
施術者にとっても重要なことです。

 

価値ある製品やサービスというのは
治療とその効果、患者の満足度であることは
言うまでもありません。

 

自分よがりにならない様に
患者さんにヒヤリングしましょう。

・今一番改善したいのは何か?
・何を求めてやってきているのか?
・どうなったら嬉しいのか?

 

そして、できることを出し惜しみせずたっぷり与えることです。

特に初見の患者さんは
自覚できる改善が欲しいものです。

患者さんの主訴を理解し
適応疾患であれば実感できる効果を出せる施術をしましょう。

また、インフォームドコンセプトをしっかりと行い
患者さんに理解してもらいうことも大切です。

施術後の患者さんの表情、会話から
満足を得られたか否かを判断することも大事です。

 

言うまでも無く、この価値ある製品、サービスというのは
施術家の場合は、適応できる疾患か否かを見極める診断力と
状態の改善を促す臨床力、技術力ですから
研鑽を続けてください。

こうしたことで
乳牛を柵の中に入れるということができるわけです。

見込み客から顧客への第一歩
初見の患者から定期的に訪れる患者への第一歩というわけです。

 
②常にコミュニケーションを取る

物販の場合は
顧客と定期的にコミュニケーションを取らなければ
少しずつ、しかし確実に忘れ去られます。

施術家の場合
特に初見の患者さんにはアフタフォローという
コミュニケーションをとらなければ再来はないかもしれません。

 

牧場主と乳牛の例で言うなら
このコミュニケーションを取るということが
「群れを柵で囲む」ということです。

 

コミュニケーションと言っても
対面で取るものだけでなく
電話、Eメール、ダイレクトメール、ハガキ、
Line、Facebook、Twitter…
などいろいろありますから、複数の方法を使って
患者さんとコミュニケーションが取れるようにしましょう。

 

施術後に
施術内容、次回の施術予定、計画などを提示することから始まり
その後のコミュニケーションの内容はどんなものでもよいのです。

「先日の治療後の体の調子はどうでしょうか?」
とフォローアップするのでも良いですし、
「あなたの質問に答えます」と言って
質問の答えをレポートにして送るなどということも考えられます。
定期的に関連ニュースを送るなどということもいいですね。

大事なのは、頻繁にコミュニケーションを取るということです。

 

これは、継続して治療を受けている患者さんにも行いますし
もちろん少し間が空いている人にも取ってほしい手段です。
そうすれば、あなたが忘れ去られることはないでしょう。

 
③様々な長期ボーナスをつけましょう。

ボーナスを勘違いして
治療費の割引、回数券などをしている例がありますが
あまりおすすめしません。

これらはあなたの施術の価値を下げることになり
競合との価格競争を招く原因となる事を理解してください。

あなたの施術の価値は、そのまま適正なものにしておくべきです。

ボーナスというのは
患者さんとの付き合いの長さに応じて
患者さんを優遇するということと理解してください。

患者さんになって
1年目の誕生日に、お花やカードをプレゼントしたり
施術受ければ受けるほど何らかの特典がつくということがよいでしょう。

これらは、特にアピールや告知をするのではなく
その患者さんのためだけにあるというように装おうことが大事です。

患者さんも先生から
大事に思われているということがわかるものです。
競合者が行う治療費の割引、回数券などの発行をしないと
患者さんがこないと思われがちですが
こうした長期ボーナスの形にすることで
価格を下げずに患者さんの満足度を高め
継続率を上げることができます。

そしてファン(信奉者)になると
口コミでよい評判を広げてくれたり
新しい患者さんを紹介してくれるようになるでしょう。

新しい患者の紹介も、制度を設け
紹介料をフィードバックしたり
料金を割引したりすることを取り入れている人を見かけますが
これもまた治療の価値を下げることとなりがちですから
長期ボーナスと同じような考え方をすることをオススメします。

もし、あなたがこんなことをする自信がないなと思うなら
あなたにはまだまだ伸ばせるチャンスがあるということ。

ラッキーだと思って、簡単に変えられるところから
新しい考え方を取り入れていくことが出来ます。

やるかやらないのかはあなた次第です。

こうしたことを考えながら
治療家として治療技術を磨き
治療院を運営していけば
生活に困るようなことにはならないと思います。

 

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